目線と立ち位置

医師が患者と話す上で目線と位置関係は非常に重要です。アルバイトと言っても患者からすれば皆医師であるため、不快な思いをさせないよう意識しなければなりません。
視線の位置関係は、大きく分けて三種類あります。まず、患者が座って医師が立っている場合です。これは「命令のポジション」とも呼ばれる患者が見下ろされている位置であり、ほとんどの場合、圧力を感じてしまいます。立っている相手からは、安定を感じられません。医師が意図をするかどうかに関わらず、立っている状態からは「いつか立ち去るかもしれない」と感じさせてしまい、忙しいのかもしれない・話を切り上げたいのかもしれないと、要らない気遣いをさせてしまう可能性もあります。特にベッドサイドでは視線が高くなってしまいますが、椅子に座るなどをしてできるだけ視線の高さの差を埋めるようにしましょう。
次に、医師が座って患者が立っている場合です。医師が見下ろされているポジションですが、実際は患者に圧力がかかっています。これは、力関係が医師の方が強いことが理由です。患者が「自分は立たされていて、相手はゆっくり椅子に座っている」と感じてしまう、いわゆる「尋問のポジション」と呼ばれています。上司が部下を呼びつけて詰問するような位置関係で、相手を委縮させてしまいます。
最後に、互いが座っている場合です。この場合には基本的に、対等のポジションであることを示すことができます。視線の高さを合わせるだけで、「話しやすい、聞いてもらっている」と相手に感じさせることができます。ただし、真正面に座ってしまうと窮屈さや緊張感を与えてしまいます。これは相手の感覚がどこにも逃げられないために、緊張させてしまうからです。向き合って話すときには、斜め45度の位置を意識しましょう。アルバイトの医師であっても、患者に安心感を与えるためにも、こうした目線や立ち位置には注意が必要だと私は考えています。